こんにちは、エン・ジャパン広報の森本です。
いつもどおりのen soku!ですが、今回の記事は「広報マーケティング Advent Calendar 2016」の15日目の記事です。つながれ!このバトン。
広報・マーケのみなさんが色々なノウハウや経験談を書かれているので、私もヒトサマのお役に少しでも立てれば、と筆を取ってみました。予告しておくと……この記事、めっっちゃ長いです。
広報になって、早2年半。自分が提供できる価値はなにか?営業出身広報ならではのノウハウがあるのではなかろうか、と考えてみました。
2006年の入社以来、営業一筋!で7年間を過ごしてきた私。
あれは、2013年の終わり。突然舞い込んだ異動話。「広報、なにそれ?」「ホリエモンの会見にいた美人」というワタアメのごとくフワっと、かつミーハーなイメージしかなかった広報業務。
広報って、営業みたいなもんだよ。
と聞きまして。それならなんとか出来るかも。と広報になってみました。
前任者との引き継ぎ期間は、1ヶ月。というドタバタの中、当時のスケジュールを見てみると、メディアの方にお会いする訪問の機会は、月に数件。私何やっていたんだ…と真っ白になる感じ。多分必死にプレスリリースを書いて、出していました。平均月に8本ほど。
広報って、みんな何やってるの?!と、広報コミュニティの「広報たん勉強会」へ参加。早々に日比谷さんやPR Tableの大堀さん、ゲリラ広報の砂流さん、といった面白い広報の方に出会い。
もっと自由でいいんだ!こんなやり方もあるんだ!と開眼。…と同時に、わたしが営業出身だからこそ、自然とやっていることにも価値があるのかも?! と気がつくことが多々ありました。
(前置き長くなりましたが)
題して「営業出身広報のPR術!」
・営業未経験で広報やっている人の参考に。
・広報経験者が採用できないよー、という会社に「未経験でも営業出身採用すると良いよ」のメッセージとして。
・営業のスキルって、どんな仕事にも活かせるよ~広報ver.(これはエンで営業やっているみんな向け)。
なんてことが伝わったら、良いなと思っています。
新規開拓
営業時代は「畑を耕す」と比喩したことも。営業として売上数字を上げるためには、自分の顧客基盤を作っていくことが大事。(商材にもよりますが、広く浅くもあれば、狭く深くも)
現在の私にとって、商材は自社であり、社員一人ひとりであり、業界環境であり、働き方そのものであり。とにかく幅広く、どんな文脈で登場するか読めない点もあるので、比較的多様なメディアの方にお会いするようにしています。
そこで欠かせないのが「新規営業」。他社の広報にお会いすると「メディアの方に、どうやって接点を持っていますか?」と聞かれるのですが、営業マインドとしては「新規電話でしょ」と回答してしまいます。
もっと言うと、他にもあるのですが…。
基本は
・新規電話(1から各メディアの代表番号に電話)
・メディアの方や、広報からの紹介
・メディアの方が登壇されるイベントへの参加
で出会っています。
新規電話って?という方もいると思いますが、
新聞や雑誌を読んでいて「この記事面白い!」「この文脈だったら、競合他社ではなく、うちも語れたよなぁ―」ということが多々。そんなときは「誰が書いたのか?」をチェック!署名記事として、記者やライターの名前が書かれていることがよくあります。
メモっておいて、連絡!(これがいわゆる新規電話、ちょっとググると電話番号出てくるので、そこにかけて、調べておいた名前を伝えましょう)署名記事ではない場合、そこに登場していた企業の広報が知り合いであれば「あの記事書いた人を紹介して欲しい」と率直に。そのメディアにお付き合いのある方がいれば「あの記事書いた人…(以下同)」。
電話して、なにしゃべるの?
思いのたけを。これは、ラブコールなので。
「なぜ連絡を取りたいと思ったのか」「自分だったら、その人にどう役立つのか」を伝えます。
たとえば当社であれば…「最近の転職市場変化を伝える記事」を読んで、担当した記者へ連絡すると仮定します。
「●●さんが書いていた××という記事を拝読して、ご連絡しました。当社は…(簡潔に)を扱っていて、最近だと…(簡潔に)という情報をお伝えできるので、今後の企画タネにしていただけると思います。一度お会いして、詳細な情報交換がしませんか?」と打診します。
ココまで読んで、営業なら「あるある」だと思います。
ちなみに…!ガチャ切り(何も言わずに切られること)をされることは、ほとんどありません!多分。これは、営業感涙ものでは!
なぜなら、こちらはメディアに露出したい。メディアの方は常にネタを探している。win-winになることが見えているのです。
訪問前の準備
訪問OKを頂けた!とひとしきり浮かれたら、訪問準備。このあたりも営業と一緒です。
訪問前は相手のことを調べますよね。その人が過去に手がけた記事や番組、個人情報も分かる範囲で調べます。紹介であれば、紹介してくれた人に「どんなコミュニケーション、ネタが好まれるのか」をリサーチ。
好みに則したネタを準備します。そのメディアが連載企画(多いのは人物紹介とか)をやっていれば、自社で合致しそうな社員のプロフィール紹介資料とか作っておきます。
※それで出た記事が、こういうもの(連載企画の場合)。関係各位のみなさま、うちの社員の多彩さに大感謝!!!
事務職の私は、ある日「営業向き」だと気づいて…(日経WOMANオンライン)
http://wol.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/031800062/110200029/
自分の土俵で戦うことの大切さ(プレジデントウーマン)
http://president.jp/articles/-/19838
ヒアリング
いざ、訪問。そこでは自分が喋りたことをアピールするのではなく、相手のことを知る。そうしないと的はずれなコミュニケーションを取ってしまうことになるので。(と注意しているが、喋りすぎてしまう…)
・相手のプロフィール
・なぜこの仕事をしているのか?
・最近の関心事
・エンや業界に対する認識
などをヒアリングします(営業のPSS用語で言うと、プロービング)。ここを知っているだけでも、後日別のネタが浮上したときに「あの人なら、興味を持ってくれそう!」とピンとくるポイントになります。
ご紹介
一通りお話を伺って(こちらも自己開示をして)、「で?今日は何の話を?」という雰囲気になったら、ようやく自社やサービスの話へ。
今まで聞いた情報を駆使して「先ほど、●●さんが××(興味関心あること)とおっしゃっていたので、それであれば…」とおもむろに自社の話を展開します。営業用語では、サポーティングと表現します。ここで興味を持ってもらえたら、こまかな取材日程調整!なんてトントン拍子に進むことも。
訪問後も要注意。メディアの方も、たくさんの人と話しているので、忘れるもの。これは営業にとっての顧客も同じですが。そこで、訪問後はお礼メールとともに、当日話した内容や盛り上がったネタを改めて送ります。「こんな話に興味を持ってもらいましたよね」「あの時話したことの詳細はコチラ(添付資料やURL付ける)」とか、そんな感じ。
取材対応
いよいよ取材!となっても落ち着いて。営業でいうところの、納品業務です。ここで不備があっては、最悪キャンセルなんてことがあるかも。
きちんと関係各位に取材背景や意図、メディアの期待を共有します。うちの場合、営業マインドな社員ばかりなので、メディアの方のパーソナルな話も伝えておくと、安心します。そして勝手にプロービングもサポーティングもプレゼンもしてくれるので、こちらも安心。
広報としては、専門用語を使ってしまって、わかりづらい話になっていないか(これは営業も一緒)。メディアの方が聞きたい話を返せているか、を同席して確認。不足があるようであれば、随時フォロー(補足)を入れます。
そして、必ずログを残す。お互いに何を話したか忘れるので。取材終了後に全部ログを先方にも共有します。「テープ起こしがいらない!!!」と何度か感激していただいたことも。そんなメリットもあるのか。と思って、これは毎回続けております。
リピート受注(再取材)を呼び込む
1回きりのお付き合いになると勿体ないので、取材終了後は、エレベータートークを展開。(※エレベーターや出口までの数分間で、有力者が興味を持つ話をすること。を意訳してみた)
他にどんな取材が走っているのか?最近メディア全体で関心を持っていることは?など。
ココでのトークから、すぐに他取材が決まったこともあるので、侮れません。
Give、give、give!長い目のTake
顧客(メディアのみならず、社内外のステークホルダー)との関係性作りでは、欠かせない視点。
私が営業になったばかりの頃、上司や先輩から口酸っぱく言われてきたので、染み付いています。直近の利益にならなくても、とにかく相手のタメになることを考えて、実践すること。
たとえば、メディアの方であれば。常にネタを探されていて、それが当社とはまったく関係ない話であることもしばしばあります。そんなときも一生懸命頭をひねって、情報を提供。日頃、自社とは関係のない分野の方と交流していたり、興味を持って収集していたりすると、役立ちます。
先日参加した広報勉強会で「広報同士のネットワークをつくって、みなさん何に役立てているのか?」と質問を受けたのですが。私は、こういう自社とは関係のない情報に詳しくなって、メディアの役に立つこともポイントの1つかなぁと思っています。他にもたくさんメリットはありますが、一旦割愛。
あ、でもやはり1つ。他社広報の方には、ほんとーーーーに助けられています。メディアの方を紹介しあったり、うちでは情報が提供できない問い合わせを対応してもらったり、逆にネタ元として紹介してもらったり。ここでもGiveの精神が役立ちます。
営業活動でどう活用するのかを社内に伝える
会社や社員に喜んでもらえることが、広報のやりがいでもある。だから「やったー掲載されたー」と広報で喜ぶのではなく、現場へ還元。
社内へ告知する時に「私が営業だったら、この情報をどうお客さんに伝えるか」ということも書き添えます。営業トークに落として伝えると、喜んでもらえるので。社員みんなの役に立ってこそ広報!という気持ちで、ここもGive精神!(日頃大変お世話になっているので)
なんだか、長くなってしまいましたが。どこか1つでも読んだ方の役に立つことを祈って。
初の大阪出張からの寄稿を終了いたします。明日からも営業マインド全開で頑張ります!
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