
日々是拉麺 Day5 鶏そばつけそば そると
夏が過ぎ 風あざみ 誰のあこがれにさまよう
10月に入りすっかり秋も深めく中、みなさまはいかがお過ごしでしょうか。
未だに夏日を観測する日もあるものの、全体的にはあまりお天気に恵まれなかった今年の夏。
ひと夏の恋、真夏のアバンチュールは味わえましたでしょうか。うかつにも手を出したばかりにトホホ…なんてことも恋愛にはよくある話。
実はラーメン界にも、ヘタに手を出すと痛い目に遭うやつがいます。
そう、鶏白湯。
鶏白湯なら女性にもウケると思って連れて行ったが最後。
地雷を踏んで爆死することウケあいです。最初の一口は、その濃厚さに「( ・∀・)そう!これこれ!」とか言ってみるものの、食べ進めていくうちにだんだん重くなってきて…あるいはすごくしょっぱくなってきて…具に水菜があるのはそういうことかぁなんて思い始めて…
店を出る頃には気分も胃袋もどんより。ラーメン店をめぐっていれば当然ハズレに当たることもありますが、「鶏白湯」と「えびそば」の2つは本当に大ダメージ…
そこで今日はみなさんに、失敗しない鶏白湯をご紹介します。
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多様なファッションと狭い路地と、それから井の頭線と小田急線が交差する街、下北沢。
駅から少し歩いたところ、混沌を避けるかのようにあるのが、本日のお店「鶏そばつけそば そると」です。
券売機がない店舗のため、自分の席でオーダー。
澄んだスープで提供される「鶏そば」もおいしそうですが、ここは「鶏白湯そば」を注文。
後ろでは先輩店員が新米店員に、つけあわせの仕込み方や帳簿のつけ方などを教えています。新米店員がよくわかってなさそうな声で、「はい!はい!」って返事をしているんだけど果たして大丈夫なのだろうか…。
そんなやりとりに気を取られていると、8月12日 15:49 今日の一杯が到着。

鶏のチャーシュー、鶏そぼろ、水菜。
ここまでは、まるで紅白歌合戦かのような、よくある顔ぶれたち。
ただしスープはほどよい透明度。これは期待ができそうです。
よくある鶏白湯は、スープの透明度はほとんどなく、水面下はほとんど見えないことが多いのですが、ここの一杯はほどよい濁り具合。濁り酒を杯に注いだ後の、ほどよい濁りが連想されます。
早速スープを一口。こ、これは…。
前前前世から捜し始めた鶏白湯スープが口の中に広がります。
まろやかに香る鶏の濃厚感。まさにいい塩梅のさっぱりとした塩スープ。 野菜を煮た後の鍋のスープのような、優しささえも感じる味の衝突地点。それは下北沢の混沌とした調和とは対照的な、美しい調和を描いています。
さらに、食べ進めようと麺を引きずり出したところで、このお店の特徴がまた一つ。
麺には胚芽が練りこまれています。
麺は胚芽の配合もあってか、ほどよい固さや風味が残っており、濃厚な鶏白湯の中にあってそのアイデンティティを確立させています。
そんなこんなで感動しながら食べ進めること5分。
よくある鶏白湯はここら辺で飽きがきて、お水をおかわりするのですが、なんと!!!
ここまで水を一滴も飲んでいない!!!!!うまみがじんわりと広がる鶏そぼろや、ぺろりと食べられる鶏チャーシューも手伝って、口の中にはしょっぱさではなく、まろやかさや甘さが残ります。水で薄めてしまうなんてもったいない。
澄んだスープのラーメンも、二枚看板として提供しているからこそできる、完成度の高い一杯。躍動するスープ・麺・具たちと、それらが見事に丼の中で美しく整っている様は、モネの『睡蓮』のようでした。
夏の余韻とともに、鶏白湯の余韻を胸に、これから秋、そして冬へ。
寒さとともに、ラーメンの香りが湯気となって見える季節がやってきます。今年の冬は、どんなドラマが待っていることやら。
ごちそうさまでした。
ε= 店 ε= 舗 ε= 情 ε= 報 ε= ε= ε= ε= ε= ε= ε=┏( ・_・)┛
鶏そばつけそば そると東京都世田谷区代沢5-36-13
MAP:https://goo.gl/maps/HAoaB3twzFn┗(・_・ )┓= 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3
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この記事を書いたレポーター

- ハヤテ
- つれづれなるままに、日ぐらし麺に向ひて。そう、人生の数だけ、ラーメンがある。