
日々是拉麺 Day7 銀座 篝
『ザギンで○○』
あなたにとって、○○には何が入るだろうか。
「しーすー」が浮かんだそこの諸君。
...残念。はずれである。
しかし安心して欲しい。
そんな諸君のために、この記事はある。
「ザギンでしーすー」を打ち砕く一杯は、銀座4丁目にある。
最寄りは銀座駅のA9出口。
上がると、木村屋のあんぱんが攻勢を仕掛けてくるだろうが、
ここはぐっとこらえよう。食後に買っても遅くはないはずだ。
Appleの角を曲がってしばらく進むと、行列が見えてくる。
正確に言えば、行列だけが見えてくる。以前の記事でも書いたが、こだわりのある店舗ほど、なぜか隠れたがる。
その特性は京都のみならず、ここ銀座でも同じようだ。
歴史が息づく街とは、なんとも奥ゆかしい。
「銀座 篝」
ビルとビルの間にすっぽりと収まる、小さな建物の1階にその店はある。
もはや行列がなかったら、確実に素通りするような店構えだ。
店内はカウンター8席だけという控えめさだが、
このお店はミシュランガイド2016、2017と、2年続けて掲載されており、知名度は全く控えめではない。
人間もそうだが、本質は見かけによらないものである。
店内はラーメン屋というより割烹のような雰囲気で、
お店の人も板前のような格好でラーメンを作っている。ラーメンへのこだわりを感じさせる装いだ。
1時間ほど待ってから着席。
ここは迷わず看板メニューの「鶏白湯SOBA」をセレクトしたい。
ちなみに"SOBA"は英語のみならず、
インドネシア語でも「蕎麦」という意味で通じる。
さらにちなむと、インドネシア語は、
・現在形・過去形などの動詞変化がない・男性名詞・女性名詞の区別がない
・複数形は単語を繰り返すだけ(例:「orang」=人/「orang-orang」=人々)
というシンプルさを持つので、すぐに習得できる外国語としておすすめだ。
高校の頃に授業で少し学んだな、と思っていると、
今日の一杯が到着。

品のある、美しいたたずまい。
美術館で名画と対面した時のような、一瞬が永遠に感じられる対面。いや対麺。
そしてスープを一口。
出汁のような奥深さと、ポタージュのような素材感が合わさって、
濃厚な鶏のうまみがふんわりと運ばれてくる。鶏白湯といえば塩味のあるスープがオーソドックスだが、
この店はそうした塩味を超越した、唯一無二の境地を切り拓いている。
続いて、麺を引き上げる。

もっちりとした麺はスープとの相性が抜群で、
チーズリゾットにおける米とチーズのように、互いをつかんで離さないまま、それぞれのうまみを連れてやってくる。くっ…お前ら最高かよ…
これだけで、しばらくは風味の中におぼれていることができる。なんたる幸せ。
しかし具も負けていない。特筆すべきはチャーシューであろう。
とてもしっとりとしていて、そのやわらかさはローストビーフを思わせる。
もはや、噛みしめるのが心地よい。
他にもお野菜が並んでいるが、それぞれがスープに埋没するでもなく、
かといってスープと違う方へ独走するでもなく、その輝きを放っている。
スープがいい意味で「ラーメン」ということを感じさせないため、
ラーメンの具としてはあまりお目にかからない野菜たちも、
安心して丼の中に存在していられるのだと思う。
この一杯はラーメンというより、和食なのかもしれない。
そんな確信めいた想いを胸に、鶏のうまみを身にまといながら、
ジャンル問わず「東京でうまいラーメン屋」として一二を競うお店を出るのであった。
ごちそうさまでした。
ε= 店 ε= 舗 ε= 情 ε= 報 ε= ε= ε= ε= ε= ε= ε=┏( ・_・)┛
銀座 篝東京都中央区銀座4-4-1 銀座Aビル1F
MAP:https://goo.gl/maps/NyF8yhs6HA52┗(・_・ )┓= 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3
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この記事を書いたレポーター

- ハヤテ
- つれづれなるままに、日ぐらし麺に向ひて。そう、人生の数だけ、ラーメンがある。