
日々是拉麺 Day4 丸福 荻窪店
田舎の母(´・ω・)「東京は危ない街だから、くれぐれも気をつけるんだよ。何か足りないものがあったら送るから言ってね。」
さいたま市に生まれ育ち、今は練馬区に住む私が抱く、「上京」のイメージだ。
(新幹線のホームや空港の出発ゲートで、こんな会話が実際になされていると信じている。)
確かに「警●庁24時」を見れば、歌舞伎町のパーリーピーポー
しかしそれだけが東京ではない。多くの人が集まっているからこそ、多くのトラブルだけではなく、多くの人情がある。
ただ少し、華やかなネオンの陰に隠れて見つけにくいだけなのだ。
今日は変わり行く東京を見守ってきた、「温かい東京」を感じられるラーメンを紹介しよう。
(次はーおぎくぼーおぎくぼです。荻窪を出ますと次は、吉祥寺に止まります。)
そのお店は荻窪駅北口を出て右、小さな商店街の中にある。
黄色の看板に白い暖簾。どこかの有名ドラマから出てきたような店構え。
「らっしゃい。」
スライド式の戸を開けると、年配の店主が新聞を読む手を止めて準備を始める。
店内はその歴史は感じさせるものの、決して汚くはなく、さっぱりとした店内だ。
注文は、壁にあるメニューを見て行う。
ちなみにここでは「ラーメン」などという野暮な表現はしない。「中華そば」と呼ぶ。 間違って「ラーメン1つ!」などと言おうものなら……おっと、誰か来たようだ、話を続けよう。
注文を聞くなり、店主は麺をほぐしてお湯へ放り込む。それからスープを用意し、具となるチャーシューをセット、と見せかけてもやしを軽くお湯にくぐらせ、その勢いで茹で上がった麺をすくいあげて、湯切りをしながら一人分にまとめていく。
流れるような、それでいてムダを極限まで排した一連の動き。
こ、これが…魚粉やベジポタや油そばなどの流行には惑わされない、老舗の余裕なのか…っ!老舗の真骨頂を目の当たりにしたところで、7月24日17:53、今日の一品が到着。

油は控えめに、じんわりと広がる醤油ベースのスープ。
その上に乗っかるメンマ、もやし、ひき肉。
スープを一口すする。その口あたりの優しさに、
田舎の母( ・ω・)「おかえりなさい」
…とは聞こえなかったが、醤油のしょっぱさが立っているわけでもなく、かといって決して味が薄いと感じるわけでもなく、出汁の旨みとほどよい醤油がじんわりと伝わってくる。
何か温かいものに包まれていくような不思議な感覚。
ホッと一息をこぼさずにはいられない。
麺はほどよくまっすぐでシャンとしており、適度にスープを身にまとってやってくる。
そこに半生のもやしがシャキシャキ感を、アクセントとして持ってくる。
そう、めまぐるしく変化する東京で、我々が失いかけていたものは、全てここにあったのだ…
情報があふれる現代において、流行は拡散されやすい。
またSNSを中心として、「流行に乗っかっているわたし」という情報も拡散されやすい。
しかしそうして流行となったものは廃れやすくもある。
そのよさが「思い出」として人々の記憶に残る暇などもない。
あっという間に消費され、また次の流行に押し流されていく。
流行だけがラーメンではない。有名なことがおいしさの証ということでもない。複数の世代に亘って愛されるということ。
人々に「思い出の味」だと慕われること。その価値に気付かされる一杯なのであった。
ごちそうさまでした。
ε= 店 ε= 舗 ε= 情 ε= 報 ε= ε= ε= ε= ε= ε= ε=┏( ・_・)┛
丸福 荻窪店
東京都杉並区上荻1-6-1
MAP:https://goo.gl/maps/enLXKJRdjrM2
┗(・_・ )┓= 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3 = 3
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この記事を書いたレポーター

- ハヤテ
- つれづれなるままに、日ぐらし麺に向ひて。そう、人生の数だけ、ラーメンがある。